「BODY SKILL SET サウナ×疲労回復の最新研究【加藤容崇】」加藤容崇 #PIVOT

サウナ×疲労回復の最新研究【加藤容崇】

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医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?

前編:サウナの基本的な入り方と心拍数の重要性

サウナに入る際の時間と心拍数の目安

サウナに入る際によく「何分入ったらいいですか?」と質問されますが、時間ではなく心拍数を目安にすることが重要です。時計を見ることなく、心拍数が軽い運動をした時ぐらいに達したら出るのが正しい入り方です。これは個人の体調や環境に応じて時間を調整する必要があるため、厳密な時間の目安はありません。

男女差と心拍数の違い

男女差についても重要です。実は女性の方が温度の感受性が高く、サウナで激しく入りすぎると性ホルモンが出なくなり、整理が狂うことがあります。特に女性は過剰な負荷を避け、リラックスすることが大切です。

心拍数の測定方法

心拍数の測定は手首の骨分脈で行います。ドクドクと触って分かるところで測るのが基本です。あるいは暑くなってくると目をつぶるだけで心拍数の変化を感じることができます。正確な測定が難しい場合は、好きな曲のBPMを参考にして心拍数を確認する方法もあります。例えば、フジファブリックの「若者のすべて」は127BPMで、心拍数がこのリズムに合ったら出るといった方法です。

アレキシサミアと心拍数の重要性

自分の感覚が分からない人、いわゆるアレキシサミアの人が増えています。彼らは自分の体調や感覚を外部の情報に頼ることが多いです。心拍数を目安にすることで、自己の感覚に対する理解を深め、適切なタイミングでサウナを出ることができます。

サウナの過剰利用とアルコールの影響

二日酔いやアルコールの影響下でサウナに入るのは絶対に避けるべきです。フィンランドのデータによれば、サウナでの死亡事故の8割から9割が飲酒関連です。飲酒後にサウナに入ると、心拍数の変化に気づきにくくなり、危険な状態に陥る可能性が高まります。

水風呂の危険性と注意点

水風呂も注意が必要です。急激に冷やそうとすると、表面の血管が拡張し、水圧で潰されることがあります。出た瞬間に体が赤くなり、血管が拡張して血液が心臓に戻りにくくなります。自律神経が弱っていると倒れるリスクがあるので、水はたくさん飲み、適度に冷やすことが重要です。

適切な水風呂の入り方

水風呂に入る時間は1分程度で十分です。20秒から30秒で血流が一周するので、1周から2周するのが最適です。長く入ると心部体温まで下がりすぎてしまい、逆効果になることがあります。水が苦手な場合は水シャワーでも十分ですし、休憩時間を長めに取ることも効果的です。